レトロゲーム

トランスルーセントIPSゲームボーイアドバンスSPの製作

ゲームボーイアドバンスSPもIPS液晶化しようと思って一式をHand Held Legendで買いました。

IPS液晶キットV2(ノーブランド)、クリアブラックのシェル、ヒンジ、底面に貼るステッカー(1つ注文したら2枚入っていた)。キットで買った液晶にガラスカバーがはじめからくっついていたので、シェルに付属していた液晶カバーとダブっている。ボタンとゴムパッドはシェルに付属。今回はドナーのボタンとゴムパッドを移植するので使わない

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ヒンジはドナーから外して使えば良いのだけど、取り外しが面倒くさいと聞いていたので買っておきました。そうすれば取り出し作業は必要ないから。

と思っていたんだけど、結局取り外し、組み込みを何度かやることになり、その過程でドナーのヒンジの爪を1つ折ってしまいました。やっぱり買っといてよかった。

シェルはIPS液晶用に整形されているので削りは不要です。たまにクリアなのに自分で削らなきゃならないやつとか、業者側で削ったやつとかがついてくる場合があるみたいなんですが、クリアだからそういうのを使うと削りあとが外側から見えてしまい格好悪いのです。このシェルはそういうことがありません。よかった。

シェル付属のゴムパッド、ネジ穴隠しは蓄光機能があって面白そうなんだけど、今回は使わない。

AliExpressだと上の一式からヒンジを抜いたV2キットが大体6000円ぐらい。そっちの方が安いけどシェルがIPS液晶対応かどうかがちょっとわかりにくかったのでやめました。買ったシェルはHand Held Legendのやつだからその点は安心だった。

ドナーをバラさずにできるところまでやってみた

YouTubeの動画で作業を見ていると、GBAのときよりも圧倒的に大変そうだったので、何回かに分けてやろうと思い、ドナーのGBA SPに手をつけずにできるところまでやってみることにしました。

液晶にMod基盤を接続した
Mod基盤にフラットケーブルを接続した
液晶の裏側に絶縁のための透明シート(付属)を貼り、フラットケーブルをMod基盤の裏側を回して下から出す。Mod基盤固定のための両面テープが貼ってある
Mod基盤のタッチセンサーを液晶カバーの下部に貼り付けた。上から出ているのがカラーパレット、下から出ているのは明るさ変更用
液晶側シェルの前面側にはめて感じを確認しているところ
シェルに置いてみたところ、Mod基盤の右側がシェルの枠と微妙に干渉していた

Mod基盤の位置を1mmほど内側に移動して両面テープで固定し直しました。

液晶側の背面シェルをはめてみた。フラットケーブルはこんな感じで巻いてヒンジを通って下のシェルの中に向かう

トランスルーセントシェルのスポンジ問題

通常はGBA SPの液晶側背面の空洞部分にはスポンジが入っていて、液晶を固定しています。もしかすると衝撃吸収の意味もあるのかもしれません。そのためトランスルーセントのシェルで同じようにやるとすごく残念な感じになってしまいます。純正にトランスルーセントモデルがなかったのはこれが要因かもしれません。

液晶の裏側にスポンジが入っている。トランスルーセントのシェルがこうだと興醒め

これをなんとか解決する方法はないものかと考えつつやっていたら、実はIPS液晶用のシェルが単体でも十分液晶を固定してくれるようでスポンジなしもいいかなと思いました。でも液晶背面は意外にスカスカなので、丸見えになってもデザイン的にイマイチな感じ。というわけで、ステッカーを入れてみることにした。

こんな感じでシェルの内側にステッカーを入れる

できれば絵柄部分が貼り付けられるようになっていればいいんですが、そういうステッカーは持っていませんでした。自作する手もあるけど、今回はこれで行く。

ステッカーサイズに切ったスポンジを入れてステッカーを固定。衝撃吸収や基盤のズレ抑制効果が多少はあるかもしれない

ヒンジを入れる

いよいよヒンジを入れる。あらかじめヒンジカバーをヒンジにつけておく必要があります。ヒンジをシェルに組み込んだ後からは入れられない点に注意。

シェルに付属するヒンジカバーをこのように取り付ける。ヒンジの出っ張りがこうなる向きでスライドして入れるとスーッと入る
ヒンジカバーを取り付けるとこんな感じ

ヒンジカバーを後から入れられないことがわかったのは組んでしまってから。なので実際はまたバラしてやり直しています。以下の写真は1回目の組み立て時に撮影したので、そのパーツがついていません。ついているものとして見てください。

実はヒンジカバーがどうやってついているのかがわからず、結局ドナーからヒンジ取り出して観察してようやくわかりました。

シェルの前面側パーツ上下を閉じた形になるように合わせる
閉じた状態でこのぐらいまでヒンジがスッと入る
シェルを開いて、使っているときにカチッと止まる角度にすると、ヒンジがさらに押し込める。爪がはまるまで押し込む。わかってしまうと難しくはなかった
液晶をシェルに入れて、フラットケーブルを下のシェルに通した
液晶側の背面シェルをかぶせた
ねじ止めした。写真はプラスネジだけどあとで確認したらY字ネジだったので、取り替えた
ネジを隠した。シェルに付属するけど、黒い方が良いのでドナーから取って使った
ヒンジの右半分を覆うパーツを取り付けた

ドナーのGBA SPをバラす

ボタンとスピーカーをドナーから移植しなければならないので、ここからバラシに入ります。

電池蓋をプラスドライバーで外して、ネジを6本外す。6本はY字ドライバーを使う

シェルの裏側が外れてメイン基盤が見えた
シェルの裏側についているLRボタンがどうやってくっついているか観察しておくとよい

LRボタンの構造を観察しておくとよいのですが、見ているだけではやっぱりよくわからず、実際に何度かやってみて理解しました。
LRボタンを外すときは金属の棒の頭を指で押さえておいて、シェルに引っかかっているバネをはずしましょう。そうしないとバネが飛んでいって最悪どこにいったかわからなくなってしまうから。

LRボタンのバネと金属棒はこんな感じで収まっている
ネジを3本外す。ここからはプラスネジ
メイン基盤が取り出せた

ボタンの接点部分を磨こうと思ったんですが、金属の端子がむき出しになってはおらず、ドーム状のプラスチックパーツ(GBA SPのポチポチした押し心地はこれによるものだろう)で覆われていました。そのため電源やボリューム、カートリッジスロットの端子だけ磨きました。

ボタンとゴムパッド、スピーカーを取り出した
電源などのLED部分の透明パーツも取り忘れないように

LED部分の透明パーツは実際は取り忘れて、組み立ててからついていないことに気がついた。再度バラして取り付けました。なので注意しましょう。この透明パーツも購入したシェルに付属していても良さそうなんですがついてなかった。

クリアブラックのシェルにボタンとゴムパッド、スピーカーを乗せたところ

従来のボタンで明るさを調節するために配線

明るさはMod基盤のタッチセンサーで調整できるので、これをやる必要はないんだけど、1本だけなんでそんなに大変じゃない。組み立ての方がずっと大変。

組み立て途中のシェルとメイン基盤をこんな感じで並べる
フラットケーブル上の端子とメイン基盤上のQ12Bをリード線で繋ぐので、ハンダ作業の前に液晶のフラットケーブルとメイン基盤に接続しておくと安定する。あとからフラットケーブルを接続するとちょっと大変
配線できた
メイン基盤を新しいシェル側に入れる
リード線がゴムパッドの下に入ったりしないように注意してメイン基盤を収める

閉じるときにリード線が動く場合もあるんですが、トランスルーセントシェルだったから表から見えて楽でした。透明じゃなかったら勘でやるしかないかも。

スピーカーとスピーカーホールの間に黒くて薄い不織布的なものが入っていて、穴からホコリが入ってもスピーカーコーンにたまらないようになっていたのですが、スピーカーが見えた方がいいかなと思って今回は入れませんでした。トランスルーセントはいいところもあるけど、スピーカーのところやスポンジの処理のように気をつかわなきゃなんないとこともありますね。

シェルを閉じる

あとはシェルを閉じるだけ。

電池蓋のネジが通る部分の金属パーツをシェルに入れておく。交換用のシェルに付属していた
シェルをネジで止めた。電池ボックス部分から見える基盤がかっこいい
ラベルを貼って、電池を入れて、蓋を閉じてできあがり

完成した!

実際は3回ぐらい組み立て直したんだけど、無事完成しました。

オリジナルよりも明るくて液晶の表示が少し大きくなった
背面はHand Held Legendのステッカーを入れるとありきたりな感じがしたので、タバスコのステッカーを入れた。そのためにまたバラしている。最近のノートパソコンみたいに、液晶を開いておいたときにニンテンドーのロゴやステッカーが正立する向きで貼った
液晶を閉じるとこんな感じ
配線した明るさボタンもちゃんと効いて、タッチセンサーでこんなふうにカラーパレットも変えられた

カラーパレットを変更することってあるでしょうかね? 不意に触れてしまってパレットが変わることがあるから、ないほうがいいのかもしれない。明るさもボタンでできれば問題ないし。
調整後の明るさ(パレットも)が記憶される機能は地味だけどかなり嬉しい。

GBのゲームを起動するとGBCの方が表示は大きい

GB系のゲームはGBCでやった方が表示が大きくていいかも。軽いのは圧倒的にGBA SPなんだけど。

GBAとGBA SPの画面サイズは同じ。軽いのはGBA SPだけど見た目に好きなのはGBAの方だから悩む
GBA SPは147.06g
GBAは電池込みで203.29g。GBA SPの方が50g以上軽いんだね
RG351Pは184.84g。GBAのゲームをやるなら実はこっちの方が画面は大きい

GBA SPのIPS液晶化はGBAに比べるとかなり大変だった。1つ1つはそんなに難しくないんだけど、パーツの数が圧倒的に多くて、複数のパーツに同時に気を使って組んでいくなんていうのが結構ある。それとパーツが多い分工程もかなり多い。そのため、やり直しで戻るのも大変。でも、楽しかった。GBAはあっけない感じで終わったけど、GBA SPをやると達成感がすごいです。さすがGBシリーズの最終完成系だなと思いました。

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