東日本大震災の教訓生かせ、あの「りんご」は青森県の情報弱者を救えるか
去年の11月に青森で取材した記事が公開されました。タイミング的には3.11直前がいいだろうということで、この時期まで延期になっていたのだけど…
近年はスマホやタブレットが防災対策の手段として脚光を浴びている。SNSやメールを使って防災に関する情報をいち早く住民にアナウンスする仕組みを設ける自治体も少なくない。
今回筆者は、米アップル(Apple)のiPhoneやiPadを用いた独自の取り組みを行う青森県を取材する機会を得た。これらのデバイスを活用し、障害者や高齢者などに災害情報を迅速に提供する取り組みである。その内容を2回に渡って紹介しよう。
1回目は、2011年3月11日に発生した東日本大震災で住民情報弱者に向けたICT利用を推進することになったきっかけを取り上げる。
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ICTの活用方法を教えられる人材の育成に取り組む
青森県企画政策部情報システム課担当者によると、アンケートなどからICTを震災時に加えて、普段の情報提供の手段として推進していくことを見据えていたところに、一般社団法人青森県ろうあ協会からも「iPadを使って人と人とのネットワークを構築できないか」という声が青森県の情報システム課、ならびに障がい福祉課に寄せられたそうである。
東日本大震災発生当時、すでに一部の障がい者がiPhoneやiPadなどの「iOS端末」を情報取集の手段に活用しており、活用例を交換するコミュニティも活発だったとのこと。iOS端末が利用されている理由として、文字の音声読み上げや画面の拡大といったアクセシビリティ機能がOSに標準で搭載されており、誰もが同じ環境で操作できる点が大きかった。
これがきっかけとなり、青森県では、まず平成25年度から「視覚障がい者のためのICT利活用サポーター育成事業」を開始。その後、現在に続く「障がい者・シニアの方にiPadを教える人材育成講座」を開催する運びとなった。
講座の実施を県から委託されたのは、高森氏が所属するAOIT。講座の内容は「iPadに関する基本的な知識、操作方法の説明と体験/シニアや障がい者の特性について/iPad活用のポイント・アクセシビリティ機能やアプリの実践/スマホやタブレット活用者の体験談」など多岐に渡る。