AirPods 脱落防止フックがあればなくさなくない!?
連載:イトウアキのアップル系と呼ばれて(第3回)
最大の敵は気の緩みだった……
スマホはiPhone、パソコンはMac、仕事先にはiPadを持参し、移動中はAirPodsで音楽を聴いているけど『別にアップル好きじゃないです』と言い張るライター伊藤朝輝がつづるアップルライフ。今回は、AirPodsをなくさないために購入した脱落防止フックのお話だ。
AirPodsは「うどん」が邪魔すぎる
「AirPods」の片っぽをなくしたときの精神的ダメージは、とてつもなく大きかった。そして、AirPodsを使えなかった1週間は、ものすごく不便だった。そこで、なくさないための方法を真剣に考えてみた。
実を言うと、AirPodsはiPhone付属の有線イヤホンよりも「外れにくい」と感じている。ランニングしたくらいでは外れないし、頭を振って故意に外そうと思っても首が痛くなるほうが先。あるポイントを突かない限り、まず外れないと言っていい。
体を動かしたときに、ケーブルを衣服に引っ掛ける心配がないのが、AirPodsに代表される「完全ワイヤレスイヤホン」のいいところだ。しかし、そこにこそ危険が潜んでいる。AirPodsの場合、通称「うどん」部分が引っ掛かって、耳から外れてしまうことがたまにあるのだ。
酔っていたのでよく覚えていないのだけれど、筆者がAirPodsの片っぽをなくしたのは、ネックウオーマーに「うどん」部分が押し上げられたからではないかと考えている(関連リンク:【悲報】愛用のAirPodsを片っぽだけなくしました……)。なくしたときの状況は、考えれば考えるほど予想できたことばかりで、「自分の気持ちがたるんでいたせいだ」と、精神論に陥ってしまう。
ストラップよりも脱落防止フック
AirPodsを購入したばかりのころ、左右のスピーカーユニットをストラップでつなぐ製品を試したことがある。脱落や紛失を防げるのではないかと考えたわけだが、かえって不安定になった。ストラップが首や襟に当たったときに、AirPodsが引っ張られてしまうことがあるのだ。しかも片方が外れると、もう片方もつられて外れてしまう。これでは役に立たないどころか、被害を拡大しかねない。
そこで今回は、耳の溝にはめる脱落防止フックを試してみた。AHASTYLEというメーカーの「Silicone Ear Hooks Cover」という製品だ。筆者が購入した時点では、全て同じサイズの左右3セットが入って税込み680円だった。似たような商品がいくつもある中、特に優れた特徴があるわけではない。あまり深く考えずに価格の安いものを選んだだけだ。
このフックをAirPodsにかぶせると、他社製のスポーツ用のイヤホンでも見たことのある、“ツノ”が突き出たような形状になる。このツノが耳の内側の溝にはまって「突っ張り棒」のような効果を生み、安定感が増す仕組みだ。素材はシリコーンなので、AirPodsが耳穴に密着することも安定感につながっている。また「うどん」部分があごのラインに添った状態で安定し、必要以上に出っ張らない。これなら引っ掛けるリスクはかなり低くなるのではないかと思う。
新たな紛失リスクに気付く
脱落防止フックが残念なのは、AirPodsに付けたままでは充電できないところ。蓋が閉じられないだけではないかと期待してみたものの、充電ケースにきちんとセットできないので充電されない。
いちいちフックを取り外すのも面倒なので、AirPodsを耳から外しても充電ケースにしまわず、シャツやバッグのポケットに入れてしまうことが多くなった。無意識にやっているので、ケースを開けたら本体がなく、「またなくした!?」と焦ったことが何度もある。そしていつの日か、シャツと一緒に洗濯してしまうのではないかと思うと気が気ではない。AirPodsの弱点を克服するために買ったのに、心配の種が増えたような気さえしてきた。
そして、脱落防止フック最大の残念ポイントはデザインだ。フックはそれほど目立たない、というか「うどん」部分のインパクトが絶大すぎるので、道行く人は気付かないかもしれない。しかし自分の中では「俺は、AirPodsをなくしたくないばかりに、こんなセンスの悪いフックまで付けるのか」という葛藤と折り合いをつけるのが大変なのだ。
最近はだんだんフックの脱着が面倒になってきて、スポーツジムで運動するときぐらいしか使わなくなってしまった。そして、この気の緩みが一番のリスクであることにもうすうす気付いている。