久々に再会したApple Musicは冷たかった
連載:イトウアキのアップル系と呼ばれて(第12回)
音楽配信サービスの三角関係!?
スマホはiPhone、パソコンはMac、仕事先にはiPadを持参し、移動中はAirPodsで音楽を聴いているけど「別にアップル好きじゃないです」と言い張るライター伊藤朝輝がつづるアップルライフ。今回は、一度サヨナラした「Apple Music」に再入会したら、冷たくあしらわれたというお話。
Apple MusicはDRM保護が残念すぎた
「Apple Music」の楽曲は、DRM(デジタル著作権管理)の問題があって、DJ(ディスクジョッキー)アプリで利用できないのが不満だったのだ。一方「Spotify」のプレミアム会員ならそんな制限はない。さらに納得がいかなかったのは、「iTunes」に取り込んだ楽曲を「iCloud」にアップロードするとクラウド経由で聴けるようになる「iCloudミュージックライブラリー」という機能。この機能が有効になっていると、自前の音楽CDから取り込んだ楽曲にまでDRMの制限がかかって、DJアプリで使えなくなったりする。利用料は同じ税込み980円/月なのに……。似通った2つの音楽配信サービスにお金をかけるのはもったいないので「Apple Music」とはサヨナラすることにした。
Spotifyのリコメンドがしっくりこない
「Apple Music」を退会し、「Spotify」と付き合い始めて、しばらくは楽しかった。DJアプリで楽曲の使用を制限されることもないし、「Apple Music」の「For You」というリコメンド機能と同様に、「Spotify」もさまざまな楽曲をリコメンドしてくれる。
ところがだ。「Spotify」が選んでくれる楽曲は、筆者にはいまひとつピンとこない。「Apple Music」では何気なく聴いてみたプレイリストから新たにお気に入りとなるアーティストを発見することもあったのだが、「Spotify」ではそのような“出会い”がほとんどない。音楽プロデューサーや楽器に注目したマニア受けしそうなプレイリストも、筆者の大好物にもかかわらず見かけない。「Apple Music」は、週に1回、決まって更新される3つのプレイリスト「New Music Mix」「Chill Mix」「My Favorites Mix」の選曲が秀逸で、次の更新を心待ちにするほどだったのに……。
少しずつ、少しずつ「Apple Musicのほうが俺の好みを分かってくれていた」という思いが強くなっていく。
8カ月ぶりに再会するも覆水は盆に返らない
「Apple Music」への未練は募る一方で、結局、再入会してしまった。が、8カ月ぶりに再会した“彼女”の態度が明らかによそよそしい……。
当たり前とはいえ、筆者が以前「iCloudミュージックライブラリー」にアップロードした楽曲はすっかり削除されていた。確かに、半年以上も放ったらかしにしたら、私物を捨てられても文句は言えないが、筆者のライブラリーには20年以上前から集めた曲が2万3000曲ほど入っていた。これを元通りにするのに3日ほどかかった。
また「iCloudミュージックライブラリー」にアップロードした楽曲は、先述した「For You」のリコメンドの選曲にも影響する。ところが、ライブラリーを復元して数日しても、リコメンドのプレイリストは表示されなかった。なんてつれないんだ。
機能がなくなったのかと思っていると、ある日「Chill Mix」が、その数日後には「New Music Mix」が表示されるようになった。だが、再入会から2週間たっても「My Favorite Mix」はまだ表示されないまま。完全に許してもらえるまで、どのくらいかかるのだろう。もしかしたら、「Spotify」と別れていないことがバレているのかもしれない……。